SEO
SEO対策、という言葉も浸透し、今日ではすっかり市民権を得たように思う。
私は本職のSEOコンサルタントではないが、WebもカバーするITコンサルタントとしての考えを書きたいと思う。
概要 †
Search Engine Optimizationの略で、日本語では検索エンジン最適化と呼ぶ。
要は、何らかの言葉でGoogle等の検索エンジンを使いWeb検索した際に、いかに上位に表示させるか、というもの。
なぜ上位に表示させた方が良いのかというと一番目につくからという身もふたもない単純な話で、3ページ目くらいまでなら見る人がいるかもしれないが、10ページ目まではまず見られないし、下手をすると1ページ目の画面表示されている部分しか見ていない人だっているだろう。
だから、上位に表示させることが重要なのだ。
なお、基本的には検索結果が上位に表示されることは、手段であって目的ではない。
Webサイトの性質にもよるが、より多くの利益を計上したり認知度を高めることが本当の目的だからだ。
それを踏まえた上で、本稿では記述する。
SEOの基本 †
身もふたもないが、ストレートに言えば、下記の3つとなる。
- コンテンツを重視する
- テクニカルなことは基本的なことに留め、やり過ぎない
- ズルい手は使わない
他にも、ページに埋め込むタグやタイトル、更新頻度などなどのトピックはあるが、本当に重要なのはこの3つ。
1つ目は言わずもがなで、検索で上位になればよいというものではなく、つまらなかったり有用でなかったらすぐに閉じられてしまうわけで。これでは上位に表示されてもあまり意味が無い。
また、2つ目と3つ目はGoogleの検索エンジンからのペナルティがあり、表示順位が大幅に下がってしまったり、下手をすると表示されなくなってしまう。
詳しくは、Googleからのペナルティを参照のこと。
さて、具体的に行うことと言えば、
- Webサイトとページをインデックスさせること、つまり検索エンジンにこちらのサイト情報を伝えること
- インデックスさせたページのテーマや詳細を、検索エンジンに理解してもらうこと
- 検索エンジンから受ける評価を上げること
- それらが上手くいっていることをモニタリングし、ペナルティを受けた場合は対処すること
この4つ。これらは、ユーザ自身が行おうがSEO業者が行おうが変わらない。
認識すべきこと †
Google社しか、厳密なところはわからない †
殆ど検索と言えばGoogleかYahooであるだろうし、Yahooの検索エンジンはGoogleのため、SEOの実際はGoogle検索対策と考えてよい。*1
そこで、Googleの検索エンジンがどのように判定するのかというロジックについて、まず基本的には、正確なところはGoogle社の従業員しか知り得ないということを認識して頂きたい。
或いは、そのロジックの情報提供を受けた者、ペナルティを受けて理由を開示された者、その理由への対応を行い復帰できた者くらいだろうか。
また、仮にそれを把握できたとしても、基本路線はともかくとして、今後変わらないなんて保証はないのだ。
じゃあSEO対策やそれを行う業者なんて意味が無いじゃないか、と思う人もいるかもしれないが、それはあまりに早計だ。
彼らはそれを生業としているだけあって、様々な情報を収集し実験もしており、顧客からの信頼も得ているからメシを食っていくことができている。
お医者さんだって誤診はあるという話で、民間療法や家庭の医学とは比較になるものではない。
現在の知見は、たゆまぬトライアンドエラーと、それを支える情熱と、顧客が金を払ってくれていたからこそ築くことができたのだ。
あるサイトで成功したからといって、別のサイトでうまくいくわけではない †
そもそも、誤解を恐れずに言えば、Google社は「SEO対策」めいたものを嫌う。
どういったロジックなのか正確なところは不明だが、「他のWebサイトやユーザから評価が高いこと」かつ「それらが作為的でないこと」と考えて差し支えない。
そういった明確でないロジックに従い、ひとつひとつのサイトごとに異なる今現在のサイト状況や利用者の状況も正確にわからない中で対応を取るわけだから、いつも同じく良い結果が出るわけではない。
Webサイト自体やコンテンツとなるページを、「人が読む部分」と「検索エンジンが読む部分」で考える †
或いは、「人が読む目線」と「検索エンジンが読む目線」がある、というところだろうか。
後者はメタタグなど一部の技術的な部分に過ぎず、また検索エンジンが読んで判断する箇所についても、判断基準は前者とする流れだ。
安全第一。すぐさまの結果を求めない †
「若干グレーですが、この方法を取れば表示順位は格段に上がります。」
こんな売り文句は問答無用でNGだ。
その理由は、グレーやブラックな方法はペナルティを受けるということは歴史が証明しており、実際にどんどん淘汰されてきた、という実にシンプルなもの。
そのため、王道的かつ即効性のない対応の積み上げが肝となり、また、そもそも検索エンジン自体に認識してもらうまでかなりの要することもあるため、せめて3-6か月くらいの期間で評価した方がよいだろう。
「SEO対策」とやらには特効薬はなく、かつ複数の方向からの施策がある †
例えば、「コンテンツ重視だとかなんだとか言っても、優れたコンテンツがあれば即ち順位とアクセス数が上がるわけではない」という人がいるが、凄まじくゲンナリする。
じゃあ、しょうもないペラペラのページでも量産していろよ、と絶望的な気持ちになる。
そもそも、あなたの言う「優れたコンテンツ」は、Googleの考えるソレとも、利用者の考えるソレとも違う可能性が高いのだから。
SEOには、サイト自体の構造だとか、トップページだとか、メタタグだとか、キーワードだとか、上質な被リンクだとか、更新頻度だとか、コンテンツの質と量だとか、様々な要素があるわけで、「ひとつを行っただけで改善・解決されるわけではない」という指摘は当たり前過ぎてコメント不能である。
もしその指摘が「そこだけに注力するな」という意図であるならば、確かにそうだ。
一つの要素を完璧にするよりも、まずは様々な要素を及第点まで引き上げた方が効率が良い。
しかし、SEOの基本的な考え方は、禁忌を(とされることを)犯さず、有用と思えることを考え、実施し、結果を出すということに尽きるかと思う。
検索順位を上位にする目的を考えること、最終的に判断するのは「人」だということ †
検索順位は、上位であればあるほど良い。これは間違いない。
1ページ目に表示されるサイトと10ページ目に表示されるサイトがもたらす利益や広告効果が同じであるわけがない。
しかし、1位と3位に、明確な大差があるだろうか?というと、正確なところを測定する術はないのだが、それでも言うなら、大差はないと思う。
なぜなら、人は探し物をするとき、1位のサイトで「もうコレしかない!!!」というような運命の出会いが無い限り3〜5つ目くらいまでは探すものだ。
じゃあ自分が1位になって「これしかない!!!」という評価を受けられるようなサイトを作ればいいじゃないか、と言われると、確かにその通り。
しかし、自分が30位くらいであればまだしも、5-6位くらいから絶対に1位にならなければ!と上を目指すよりも、他の検索ワードでも上位に入るような努力にパワーとお金を割いた方が良いのではないか?
テストの勉強でいえば、95点から100点にする努力をするなら、50点くらいしか取れない科目の勉強に割いた方が良いに決まっている。
話はそれたが、とにかく上位になればなるほど良いのだが、拘り過ぎても見返りが少なく、検索で1位になったとして、開いたページをすぐ閉じられてしまっては意味が無い。
これは上記でも触れたコンテンツが大事だということなのだが、そもそも考えて欲しい。
何のために検索で表示される順位を上げるのか?そもそも、何故このWebサイトを作ったのか?運営しているのか?
答えは、自社やサービスおよび製品の認知度の向上を果たす、その結果として企業イメージを上げる、あるいは成約や利益の確保をする、などの理由のはずだ。
単に検索順位が上位になったからといって、それらが果たされるわけではない。あくまで、検索順位を上げることは、それらの手段であり目的でないことは、認識して頂きたい。
SEOには、リスクやデメリットもある! †
というと大仰だが、要は商いやマーケティングがWebに偏り過ぎると、それはそれで不都合があるよ、という話。
こちらのサイトSEOのデメリットが非常にわかりやすい。
もちろん、だからSEO的なことは意味が無いとか止めた方がよいということではなく、こういった方面からも考えてみることが肝要かなと思う。
具体的な施策 †
やらなければならないこと、できればやった方が良いこと †
- 悪質業者につかまらないこと、正しい知識を持つこと。
- リンク切れや同一TITLEタグなど、基本的なケアレス事項を潰す
- 検索順位を上げるために質のいいコンテンツを作り、信頼度の高いリンクを構築する
- Google社による、検索エンジン最適化(SEO)およびウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)に目を通すこと
- コンテンツの質と量を拡充すること。
- サイト自体を高速化する*2
やってもやらなくても変わらないこと †
ディレクトリ登録
しょうもない怪しげなディレクトリ登録は逆効果で、そういったところからの被リンクはGoogleが嫌うところと考えた方がよいだろう。
もちろんYahooディレクトリなどのメジャーなものはokだが、年々その重要性は低くなっているという所見。
ただし、登録には数万円を要するものの、一度登録すれば半永久的に効果が継続するのが強みで、登録に5万円かかるとして、5年後のことを考えれば年間1万円、1ヶ月あたり833円。10年先を考えるなら、更にその半額。
すぐには投資対効果は出ないという評価が多いが、中長期的に考えれば無駄な出費ではないのかもしれない。
参考URL:
ディレクトリ掲載の費用対効果
主要ディレクトリ登録のSEO効果
毎日更新する
更新もせずに放置しているサイトよりも、更新頻度が高いサイトの方が、検索エンジンから高い評価を受ける・・・と言われている。
直感的にわかる話だ。
しかし、毎日だとか極端なことを考える必要はない。全く更新が無いが多くのアクセスを集めているサイトはたくさんある。
もちろん、更新は頻繁な方がよいことはよいだろう。トップページの更新が頻繁な方がよいという人もいるだろうが、「てにおは」のようなしょうもない更新をして、訪れた人をがっかりさせるような更新ならしない方がよい。
それよりも、トップから「まっとうな更新」をしたコンテンツにちゃんとリンクを張っていることが大事なのだと思う。
やらない方がよいこと †
- 被リンクの購入
これは、言わずもがな。
ブラックSEOの代表格だが、中には「まともな、ちゃんとしたサイトをたくさん作り、そこにリンクを張る」という手間のかかる方法をとるSEO会社もあるらしい。 - 悪質なSEO業者を使うこと
詐欺師にエサを与えているのと同じ。泥棒に追い銭。「ランキング(1ページ目)を保証する」なんてのは論外。 - 検索順位の変動に過敏になり過ぎる
今現在の順位はどうなのか、どのように変動するのか、行ったことが検索順位にどのような結果で表れているのか。これらは非常に気になるところ。
しかし、すぐには結果が出ない処置もあるし、「それを行ったから検索結果を維持できているのであって、何もしなければ下がっていた」なんて真相もあるだろう。
もちろんモニタリングは重要だが、それに一喜一憂し過ぎないことが肝要で、こちらで実に小気味よく解説されている。 - いわゆる「SEO対策」をやり過ぎないこと
これもGoogleの中の人でなければ厳密なところはわからないが、「あざとい程にキーワードを盛り込んだりタグを書き込んだりすることは検索エンジンから嫌われる」ということは、数年前からまことしやかに言われていることだ。
とにかく、過剰になることはない。
参考URL †
サイト †
SEO Japan
海外SEO情報ブログhttp://www.suzukikenichi.com/blog/
SEMリサーチ
パシのSEOブログ
無料SEO対策のススメ
パシのWP SEOブログ
Web力学
SEOとその周辺
記事 †
クライアントの目を覚ますSEO解説メール
ロングテールSEOの基本 No.1
ロングテールSEOの基本 No.2
検索結果1ページ目入りを「保証」するSEO業者ってどうよ?
随分と前の投稿だが、現在でも色褪せない素晴らしい記事。
SEO SWOT Analysis -- Revisiting Marketing Models
英語の記事だが、読める方は是非。
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