財務会計/為替予約
未来日付でのレートを前もって取り決め、今現在の商いにそれを用いることで、為替差による損失を想定内にとどめるための手段。
概要 †
主に販売物流での商いで利用する、リスクヘッジの手段となる。
業務と機能の双方から触れることとする。
業務としての為替予約 †
大きくは下記の二つがある。
なお、予約はそもそも円転するか否か及びそのタイミングがキーポイントであり、外貨口座を持つ会社と持たない会社で、完全に考え方が異なると考えていい。
銀行予約 †
文字通り銀行を相手に予約し、決済する。通常、為替予約といえばこちら。
メリットとしては、何より為替リスクを会社の外に出すことができることで、リーマンショックのような大暴落があっても、銀行が予約レートで担保してくれるということ。
デメリットは、申請部署と財務部あるいは財務部と銀行とのやり取りに代表される間接業務が増えることと、銀行へ支払う手数料が馬鹿にならないことが挙げられる。
船積みが遅れただの天候の問題だの現実に発生するやむを得ない事情はわかるが、予約を取り直したり事務手間が増えるのは、財務業務の担当者にとっては迷惑極まりない。
社内予約 †
こちらは、営業部等が申請し、財務部が担保するという流れとなる。
メリット・デメリットは銀行予約と完全に裏返しで、メリットは社内で完結するため銀行予約ほど業務や管理対象が増えないことと対銀行の手数料支払いがなくなること、デメリットはリスクは営業部から財務部に移るものの会社内に内在するままであること。
機能としての為替予約 †
では、この業務とどうやって付き合っていくか?である。
SAPの中でのFunction †
FSCMでは用意されていると話に聞いたが、基本的にライセンス料の範疇で利用可能な標準機能には存在しない。
販売にも購買にも、月次レートだけでなく指定レートで計上する機能はあるものの、銀行の予約Noや有効期限、残りのワク等は管理できず、実質コントロールできる機構は存在しないと言っていい。
上記のような管理要素を、アドオンで取り扱っている会社は少なくない。
SAPの外でのFunction †
また、銀行と電話による直接的なコンタクトで完結している会社も少なくないが、代表的なのは三菱東京UFJなどのネットバンキングによる予約だろう。
ただ、SAPを入れるような会社であれば要らぬ心配かとは思うが、会社の規模や信用状態によっては、為替や外貨にまつわる取引を銀行に拒否られる可能性がある。
ちなみに、メガバンクを一通り利用したユーザ曰く、為替に関しては三井住友が頭ひとつ抜けているとのこと。
具体的には、いかにストレスフリーにオペレーション出来るか否かの他に、LCを取り扱うことができる海外銀行の数などが評価のポイント。
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