「「財務諸表>財務会計/財務諸表」」のひとつで、Balance Sheetの略。
B/S、BS(いずれもビーエス)と表記し、[[資産>財務会計/資産]]・[[負債>財務会計/負債]]・利益や損失を含む[[資本>財務会計/資本]]の各部で構成される。
----
#contents
----
* 概要 [#m4286aaa]
企業のある一定時点における資産・負債等の状態を表すためのレポートであり、ざっくりいえば、その会社の「持ち物」の構成と分布が記述されている。
** 目的 [#n6828928]
株主や債権者などの利害関係者に経営状態に関する情報を提供することを目的とする。
株式会社では、官報・新聞・インターネット上のいずれかでの決算公告が義務付けられており、会社法440条に基づき。定時株主総会の終結後遅滞なく[[P/L>財務会計/損益計算書]]とともに公告しなければならない。
作成しなければならないタイミングとしては、開業時・決算時・清算時があり、その他は任意で月次や四半期ごとに作成される。
** 内容 [#kdee2dd8]
簿記をかじった人間には周知の事実だが、大きくは「借方」と「貸方」に分かれ、一般的に流動性の高いものから低いものへと記載される流動性配列法という記述が用いられる。
ただし、電力会社等の有形固定資産の額が多い場合など特別の会計規則が設けられている会社についてはその限りではなく、固定性配列法が適用される。
なお、[[流動資産>財務会計/流動資産]]と[[固定資産>財務会計/固定資産]]という表現については([[負債>財務会計/負債]]も同様)、[[一年基準>一年基準>財務会計/一年基準]]で分類される。
*** 借方 [#q87f6a8a]
「資産の部」があり、企業のある時点における資産の額が表示される。
こちら側は''その会社の持ち物''を意味し、内訳は下記の通り。
-[[流動資産の部>財務会計/流動資産]]
売掛・未収金・短期貸付金など流動性の高い資産
-[[固定資産の部>財務会計/固定資産]]
土地・建物など流動性が低く固定資産に分類されるもの
-[[繰延資産の部>財務会計/繰延資産]]
創業費・開業費・開発費など、繰り延べ計上する費用を資産化したもの
*** 貸方 [#me59962e]
「負債の部」と「純資産の部」に分かれており、こちら側は''その会社の持ち物が、どのように構成されているか''を意味し、内訳は下記の通り。
-負債の部
''その会社の持ち物が、どのように構成されているか''という観点では、こちらは「他人のもの」。[[他人資本>財務会計/他人資本]]ともいう。
詳細は別記に譲るが、例えば10万円の現金と買掛金があった場合、「買掛を現金で払わなかったから、現金10万円がある」=「現金10万円という持ち物の正体・由来は、買掛という他人の資本である」という意味。
--[[流動負債の部>財務会計/流動負債]]
買掛・未払金・短期借入金など流動性の高い負債
--[[固定負債の部>財務会計/固定負債]]
長期借入金など流動性が低く固定負債に分類されるもの
-純資産の部
''その会社の持ち物が、どのように構成されているか''という観点では、こちらは「自分のもの」。
もう少し正しく言えば、自分といっても「その会社のもの」で、創業時に現金100万円と資本金100万円があった場合、現金100万円という持ち物の正体・由来は、株主が払い込んだ資本金100万円ということ。
株主の[[資本金>財務会計/資本金]]および[[資本剰余金>財務会計/資本剰余金]]、[[利益剰余金>財務会計/利益剰余金]]などがある。
*** 構成の例 [#z38ec1c8]
[[Wiki参照のこと>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B2%B8%E5%80%9F%E5%AF%BE%E7%85%A7%E8%A1%A8]]
** 貸借対照表における指標 [#ta1cf3a8]
*** 流動比率 [#cea7768a]
流動資産÷流動負債で算出する指標で、企業の短期支払能力を表す。
1年以内に返済すべき負債である[[流動負債>財務会計/流動負債]]を、短期間で換金可能な資産である[[流動資産>財務会計/流動資産]]がどの程度カバーしているかを示し、この比率が高いほど短期的な資金繰りに余裕があることを意味する。
流動比率が100%以下であれば、短期的な支払のために[[資本>財務会計/資本]]や[[長期負債>財務会計/固定負債]]が使用されていることとなり、200%以上あることが安心の目安といわれている。
*** 当座比率 [#m7712a3b]
当座資産÷[[流動負債>財務会計/流動負債]]で算出する指標で、企業の即時支払能力を指す。
当座資産とは現預金・[[受取手形>財務会計/受取手形]]・[[売掛金>財務会計/売掛金]]・[[有価証券>財務会計/有価証券]]などを指し、この比率が高いほど短期的な支払担保能力が大きいことを意味する。
流動比率との違いは、ざっくりいえば在庫を含むか否か。
在庫の現金化には時間がかかるため、これを含めないことで流動比率より厳しく支払能力が算出でき、100%以上あることが安全性の目安といわれる。
*** 固定比率 [#g6558b94]
[[固定資産>財務会計/固定資産]]÷[[自己資本>財務会計/自己資本]]で算出する指標で、固定資産のうちどの程度が自己資本で賄われているかを示す指標。
[[固定資産>財務会計/固定資産]]は事業のために使いし、事業の[[収益>財務会計/収益]]で投資を回収するという性質を持つため、[[他人資本>財務会計/負債]]ではなく[[自己資本>財務会計/自己資本]]が源泉となっていることが望ましいわけだが、これが100%以上となった場合は[[固定資産>財務会計/固定資産]]の源泉が[[他人資本>財務会計/負債]]にも依存していることを意味する。
ただし、100%を下回っていても、古い資産が多い場合は近い将来の投資が迫られているわけで、この指標だけを鵜呑みにしてはならない。
*** 負債比率 [#k36dc6f8]
[[負債>財務会計/負債]]÷[[自己資本>財務会計/自己資本]]で算出する指標で、[[他人資本>財務会計/負債]]が[[自己資本>財務会計/自己資本]]に対してどの程度を占めるかを示す指標である。
返済義務のある[[他人資本>財務会計/負債]]がどれだけ返済義務のない[[自己資本>財務会計/自己資本]]でカバーされているかを意味し、低いほど安定性が高い。
*** 自己資本利益率 [#bd920efa]
純利益÷[[自己資本>財務会計/自己資本]]で算出する指標で、株主の投資に対してどれだけの[[利益>財務会計/利益]]を生み出しているかを意味する。要は、この比率が高ければ高いほど収益力が大きい。
ROE、株主資本利益率と同じ意味。
「ROE ランキング」あたりで検索すると、トップ企業は120%を超えるスコアを叩き出している。
分母が[[自己資本>財務会計/自己資本]]であるため、[[資本金>財務会計/資本金]]が少ない会社は相対的に良い数字が出やすい。
*** 自己資本比率 [#r7106a74]
[[自己資本>財務会計/自己資本]]÷総資本で算出する指標で、一般的には、この比率が高いほど経営の安全度が高いことを意味する。
なお、ここでいう[[自己資本>財務会計/自己資本]]には、[[新株予約権>財務会計/新株予約権]]と[[少数株主持分>財務会計/少数株主持分]]は含まない。
この比率が低い場合、新たな資金需要が発生すると有利子負債を頼る必要性が高いこと、その分競争力に負の影響を及ぼす可能性があること、さらに現状あまり儲かっていない場合には有利子負債の負担に耐え切れないなどのリスクがある。
~
~
CENTER:【スポンサードリンク】
#htmlinsert(amazon_book_sap_system_implement)
~
~
----
#pcomment(reply)